こんにちは、株式会社ベルタリンクです。建物の改修工事や解体工事を予定していると、施工会社や調査会社から「アスベストの事前調査が必要です」と案内されることがあります。今回は、この事前調査がなぜ必要なのか、どのような流れで進むのかを、実務の視点から解説します。

事前調査が義務付けられている理由

アスベスト(石綿)は、かつて断熱性・耐火性に優れた建材として広く使用されていましたが、吸入すると中皮腫や肺がんなどの健康被害を引き起こすことが判明し、2006年以降は製造・使用が原則禁止されています。しかし、それ以前に建てられた建物には、今なお石綿含有建材が残っている可能性があります。

そのため、大気汚染防止法第18条および石綿障害予防規則により、建築物の解体・改修工事を行う際は、着工前に石綿含有建材の有無を調査し、その結果を都道府県等へ報告することが義務付けられています。2022年4月からは、この報告義務の対象が拡大され、一定規模以上の工事だけでなく、多くの改修工事も対象になっています。

事前調査の流れ

  1. 設計図書・竣工年月の確認 建物の建築時期や使用建材の記録を確認します。
  2. 現地での目視調査 実際に現場を確認し、対象となる建材の種類・使用箇所を特定します。
  3. 必要に応じた分析調査 目視や図面だけで判断できない場合は、建材のサンプルを採取し分析機関で調査します。
  4. 判定・記録の作成 調査結果をもとに石綿含有の有無を判定し、事前調査結果報告書を作成します。
  5. 工事内容に応じた措置 石綿が含まれる(またはみなされる)場合は、飛散防止策を講じたうえで作業を行います。

「有」「みなし有」「無」の違い

調査結果は、目視・設計図面・分析・材料製造者による証明・製造年月日といった根拠にもとづき、次のいずれかに判定されます。

  • :分析等により石綿の含有が確認された状態
  • みなし有:分析を行わず、安全側に立って石綿が含まれているものとして扱う状態
  • :目視や設計図面、分析等により石綿が含まれていないと判断できた状態

分析を行わずに判定する場合は「みなし有」として扱うのが基本的な考え方です。分析には時間とコストがかかるため、工事の規模や工期に応じて、みなし有として飛散防止策を講じる方法が選ばれることも少なくありません。

「有」「みなし有」と判定された場合の対応

石綿含有建材(またはみなし有の建材)を取り扱う工事では、作業の種類に応じて「除去」「封じ込め」「囲い込み」のいずれかの方法が選ばれます。あわせて、次のような飛散防止措置を組み合わせて実施します。

  • 作業区画の隔離(負圧隔離/隔離)
  • 建材の湿潤化
  • 作業員による呼吸用保護具の使用

調査を行わずに工事を進めるとどうなるか

事前調査を行わず、あるいは虚偽の報告を行って工事を進めた場合、法令違反として罰則の対象となるだけでなく、石綿の飛散による近隣への健康被害や、工事の中断・追加費用の発生につながるおそれもあります。事前調査は、工事関係者だけでなく、近隣住民や将来の建物利用者を守るための重要なプロセスです。

まとめ

アスベスト事前調査は、法令で義務付けられた手続きであると同時に、安全な工事を行うための第一歩です。株式会社ベルタリンクでは、現地調査から判定、報告書の作成まで一貫して対応しています。改修・解体工事を検討されている際は、事前調査が必要かどうかも含めて、お気軽にご相談ください。


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